腹部大動脈瘤低侵襲治療センター
お腹を切らない腹部⼤動脈瘤治療を提供します
診療受付時間
月曜午後(14:00〜17:00)、水曜午前(9:00〜12:00)
腹部⼤動脈瘤とは?
大動脈とは⼼臓から全身に血液を送る全身でもっとも大きな血管で、大動脈が瘤状に拡大したものを大動脈瘤と言います。大動脈瘤は腹部に発発生することが最も多く、お腹にできた大動脈瘤を 腹部大動脈瘤と呼びます。腹部大動脈瘤は基本的に無症状ですが、時間と共に拡大し、最終的に破裂して命を失う非常に怖い病気です。薬による治療法はなく、破裂の危険性が高くなると破裂を防ぐために動脈瘤の手術が必要となりますが、手術には ①人工血管置換術(お腹を切って大動脈瘤を人工血管管に置き換える手術)と②大動脈カテーテル治療(ステントグラフト内挿術:カテーテルを使用したお腹を切らない手術)の2つがあります。当院”腹部大動脈瘤低侵襲治療センター” では大動脈カテーテル治療の実施医・指導医が在籍しており、多くの患者において ”お腹を切らない手術” を提供することができます。
腹部大動脈カテーテル治療 (腹部大動脈ステントグラフト内挿術)とは?
足の付け根の動脈からカテーテルという管を挿入し、ここからステントグラフトという特殊な人工血管を血管の中まで進め、大動脈瘤前後の正常血管にまたいでステントグラフトを留置するこ とで大動脈瘤内への血流を遮断する治療です。血流が遮断されると、大動脈瘤内の圧力が低下し破裂する危険性は極めて低くなります。
外科的治療である人工血管置換術と比べて、お腹を切らない腹部大動脈カテーテル治療(ステントグラフト内挿術)は体にかかる負担が小さいため、外科的手術が不向きとされる高齢者や重い持病を持っている患者さんでも治療を受けることが可能です。なお、術後は通院が不要というわけではなく、定期的なCT検査による評価が必要となります。
実際の治療例
大動脈カテーテル治療(腹部大動脈ステントグラフト内挿術)により腹部大動脈瘤内への血流遮断に成功した症例です。術後に動脈瘤は退縮し、術後8年でのCT検査でも大動脈瘤は退縮したまま維持できていました。
腹部大動脈瘤治療の特徴
・経験豊富な医師(500例以上の治療経験)が治療を担当
・短期間の入院で治療が可能(2泊3日~3泊4日)
1991年に世界で初めて大動脈カテーテル治療(ステントグラフト内挿術)が報告されましたが、日本では2006年に薬事承認され本格的に普及しました。当院の担当医(髙橋医師)は2009年から本治療に従事しており、胸部大動脈ステントグラフト実施医・指導医、腹部大動脈ステントグラフト実施医・指導医の資格を取得しております。これまでに500例以上の大動脈カテーテル治療を経験し、現在も他施設に出張して育成指導を行うなど多くの治療経験があります。この経験を活かすべく、2023年6月1日に、なにわ生野病院に「腹部大動脈瘤低侵襲治療センター」開設しました。当センターでは加齢とともに増加する動脈硬化の病気である腹部大動脈瘤に対して、カテーテル治療、外科的治療ともに高いレベルで地域の患者様に提供できると考えております。動脈瘤を有する患者様は高齢な方が多く、長期入院にて活動性が低下し、認知症が進むなど懸念されることもあるかと思いますが、カテーテル治療であれば止血器具を用いることで傷は極めて小さいため、多くの方は短期間の入院(2泊3日~3泊4日)で治療が可能です。
なお、胸部大動脈瘤や大動脈解離に対する手術(胸部外科治療・胸部ステントグラフト内挿術)は連携病院で対応しております。
医師のご紹介
髙橋 由樹 (たかはし なおき) |
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- 略歴
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2006年3月 香川大学医学部卒業 2006年4月 兵庫県立尼崎病院(現 兵庫県立尼崎総合医療センター) 2013年4月 大阪赤十字病院 循環器内科 2021年4月 大阪赤十字病院 循環器内科 医長 2022年10月 社会医療法人 なにわ生野病院 医長 2023年6月 腹部大動脈瘤低侵襲治療センター長 就任 - 資格
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- 日本内科学会 認定内科医
- 日本循環器学会 専門医
- 日本心血管インターベンション学会 認定医
- 浅大腿動脈ステントグラフト実施医
- 腹部大動脈ステントグラフト実施医・指導医
- 胸部大動脈ステントグラフト実施医・指導医
鎌田 創吉 (かまだ そうきち) |
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- 略歴
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2002年3月 金沢大学医学部卒業 - 資格
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- 日本病院総合診療医学会認定医
- 日本外科学会専門医・指導医
- 心臓血管外科専門医・指導医
- 日本循環器学会循環器専門医
- 日本脈管学会脈管専門医
- 日本血管外科学会血管内治療認定医
- 下肢静脈瘤血管内焼灼術実施医・指導医
- 心臓リハビリテーション指導士
- 感染制御医(ICD)
- 医学博士